AI時代に価値を生み続けるために──事業責任者が語るウフルがデータ流通の中核を目指す理由

昨今、IT業界全体の変化はますます激しくなっています。
AIの進化のスピードも含め、「今後どうなっていくのか」が誰にとっても読みづらい状況が続いています。
IT業界で就職や転職を考えている方にとっても、同じように不安を感じやすい局面ではないでしょうか。

今回は、ウフルの事業責任者である坂本に、AI時代の変化をどう捉え、ウフルがどのように向き合っていくのかを聞きました。

予測できない時代に必要なのは、価値創造という軸

坂本:私自身、インターネットの普及やスマートフォンの登場といった有為転変を経験してきましたが、この1〜2年の変化は、これまでと比べても“予測の難しさ”が一段上がった印象があります。新しい技術が登場し、できることの幅が広がるたびに、企業も個人も「どうすべきか」判断を迫られる。そうした状況では、どうしても世の中全体が落ち着きにくくなります。

ただ、そのような環境だからこそ重要なのが「右往左往しないための軸」を持つことだと考えています。
来る未来を100%当てることはできませんが、ある程度の仮説を持ち、意思を持って先に進むことはできます。ウフルとしても、まさにそこを大切にしたいと思っています。

先行きの不透明な時代を生き抜く上で、ウフルにとっての軸は「価値創造企業であり続けること」だと答えます。
AIが急速に進化する中で、技術そのものはいずれコモディティ化していきます。だからこそ、企業として問われるのは「何を使っているか」ではなく、「それを使って何を生み出し、どんな価値を提供できているか」だと考えています。

価値創造の鍵は、データに「意味」を与えられるかどうか

これからの時代、その価値創造の中核になるのが、世の中にある膨大なデータに「意味を持たせられるかどうか」だと考えています。

AIが動くためには大量のデータが必要、という点はすでに多くの方が理解していると思います。しかし、ただデータが存在するだけではAIの行動に価値は生まれません。
問題は、その膨大なデータをどう扱い、どう組み合わせ、どのようにして「意思決定に使える価値」に変えるか、という点にあります。

そこで重要になるのが、文脈(コンテキスト)です。

たとえば人が何かを購入する時、商品を見て「その瞬間何を感じたか」「どんな状況だったか」という文脈が、意思決定に強く影響します。
急な雨に降られたときにコンビニで見かけた傘と、晴れた日にECサイトで見かける傘では、同じ商品でも意味がまったく異なります。
同じ商品でも、文脈が違えば価値の感じ方も変わります。
これはAIでも同様で、AIの精度や有用性を高めていくほど、文脈情報が重要になっていきます。

たとえばレコメンドAIを考えると分かりやすいと思います。「過去に何を買ったか」「どのページを見たか」といった履歴データだけでは、AIは過去の傾向を再現することしかできません。

そこに、閲覧したタイミング、直前の行動、現在地、時間帯、天候といった文脈が加わることで、AIは「今、この瞬間に何が最も意味のある選択か」を判断できるようになります。

項目を揃える時代から、意味を揃える時代へ

もう一つ強調したいのが「意味を理解するデータ基盤」の重要性です。

今後、セマンティックレイヤー、メタデータ管理、ベクターデータベースといった概念は、AI活用の前提条件になっていくと見ています。その理由は明確で、AIはデータ構造ではなく「意味」を扱う存在だからです。
従来のデータ連携では、項目名や形式を厳密に揃えることが前提でした。
「姓名」が一つのカラムなのか、「氏」「名」に分かれているのか、といった違いをすべて吸収する必要があったわけです。
しかしAIを前提にすると、重要なのは完全な項目一致ではなく、「このデータとこのデータは、本質的に同じ意味を持っている」と認識できることの方が、はるかに価値を持ちます。
そのためには、データそのものではなく、メタデータ側で意味を定義・管理し、AIがそれを参照できる状態を作る必要があります。

さらに現実の世界では、データの大半は非構造化データです。テキスト、画像、音声、センサーログ、行動履歴など、文脈を含むデータほど構造化されていません

この非構造化データを扱うには、ベクトル化や意味検索といった技術を前提とした設計が不可欠になります。つまり、「意味をどう扱うか」が、そのままAI活用の成否を分けるのです。

AI時代で生きるウフルの強み──積み上げてきた“文脈データ”の実装経験

ウフルはこれまで、SNSやIoTを含むさまざまな領域でデータ活用に取り組んできました。

たとえばIoTの領域では、人の行動、場所、時間、環境情報といったリアルタイムデータを扱ってきました。
センサー単体の数値には意味がありませんが、「誰が・どこで・何をしていたか」という文脈と結びつくことで、初めて価値を持ちます。

こうした文脈データを複数のサービスやシステム間で連携し、意味ある形で活用する。そのための基盤を提供してきた経験が、現在のウフルの強みです。
私たちは一貫して、「データをどう持ってきて、どう組み合わせ、どう価値に変えるか」という課題に向き合ってきました。
その結果として、AIコンタクトセンターの開発や、エンタープライズ領域での実証にも取り組んでいます。

ウフルが見据えるAI活用──成果が出せるAIへ

今後私たちが向き合っていくのは、便利なAIではなく、業務で成果を出すためのAIです。

個人が使って「便利だ」と感じるコンシューマーAIと、企業が継続的に成果を出すために使うエンタープライズAIの間には、大きな違いがあります。

コンシューマーの世界では、検索や購買といった行動がAIに置き換わりつつあり、会話型インターフェースを通じて最短距離で答えにたどり着く体験が当たり前になっていくでしょう。SEOのように人に見つけてもらうための最適化から、AIに正しく理解・評価してもらうための最適化へと、考え方も変わっていきます。

一方で、企業でAIを使う場合は話がまったく違います。成果を出すためには、セキュリティや権限管理、業務プロセスとの統合、継続的な運用まで含めて設計しなければなりません。最近では、AIが意思決定に関与する事例も出てきています。大手飲料メーカーが役員と同数のAIを意思決定に参加させ、忖度のない視点を取り入れたという取り組みもその一例です。

便利さの延長では、エンタープライズAIは成立しません。この「便利」と「成果」の間にある価値こそが、これからの差別化ポイントであり、ウフルが取り組むべき領域だと考えています。

AI活用のゴールは「省人化」ではなく「新たな価値創出」

これからのAI活用は、DXと同様に段階的に進化していくと考えています。
初期段階では、「人の作業を減らす」「コストを下げる」といった省人化・効率化の文脈で語られることが多い。しかし、これはAIの価値の一部でしかありません。

ウフルとして目指したいのは、その先です。
AIを使うことで、これまで存在しなかった「価値」をどう生み出すかという段階です。

新しいサービス、新しい意思決定の形、新しい顧客体験。AIを単なる代替手段としてではなく、「価値創造の起点」として使えるかどうか。そこに本質的な意味があると考えています。

これまで多様な業種・業界の案件に向き合ってきた経験を踏まえ、異なる業務や課題にフィットするAI活用の形を考え、提案につなげるために、社内ではタスクフォースチームを組成し、複数の取り組みが同時並行で進んでいます。あわせて、Databricks認定資格の取得を進めるなど、基盤となるケーパビリティの強化にも継続的に取り組んでいます。

ウフルで働く人に求めたい「視座を上げ」「問いを立てる」姿勢

こうした激しい変化の中で、ウフルで働く人に大切にしてほしいことは「視座を少し上げて物事を見ること」です。

今は、これまでの延長線上で少しずつ成長していくというよりも、環境や前提が一気に変わる中で、非連続的な成長が当たり前になりつつある時代です。だからこそ、目の前の事象だけをみるのではなく、より高い視点から全体を俯瞰し、「構造そのものをどう組み替えるべきか」を考え、それを実行に移していくことが重要だと思っています。

私自身も、日々試行錯誤しながらですが、今の延長戦ではなく、事業や組織のあり方そのものが大きく変わる前提に立ったとき、どんな判断や準備が必要になるのか、という視点で物事を考えるようにしています。

もう一つ大切にしたいのは、「問いを立てられること」です。

AIができることはこれからさらに増えていき、作業や処理の多くはAIが担うようになると思います。そんな中で人に求められるのは、「何を問うべきか」「どこに価値がありそうか」を考える力ではないでしょうか。問いがなければ、AIも十分に力を発揮できません。

問いを立てるためには、情報を集めて理解し、違和感に気づき、それを仮説として言葉にし、試してみることが必要です。
ウフルは、そうしたプロセスを大切にしながら、まずやってみることを歓迎する文化があります。その中で、試行錯誤を重ねながら成長していける方にとって、働きがいのある環境だと思っています。

AIの進化は確かに大きな波ですが、すべてを予測できるわけではありません。だからこそ、完璧な答えを求めるよりも、軸を持ちながら考え続けることが大切だと感じています。データの意味を捉え、価値創造につなげていく。その過程を一緒に楽しみながら、次の時代を考えていける方と、ぜひご一緒できたらうれしいです。

 



あなたの挑戦をお待ちしています

ウフルでは、エンタープライズAIの実装や、文脈データを連携し価値に変える基盤づくりに一緒に取り組む仲間を募集しています。プロダクト開発、データ基盤、AI活用、プロジェクト推進など、関わり方は多様です。

変化の激しい時代に、軸を持って価値を生み出し続けたい方。データの意味を問い、仮説を描き、形にする仕事に挑戦したい方は、ぜひ採用ページをご覧ください。カジュアル面談も実施していますので、まずは情報交換からでも歓迎です。

 

新卒採用情報

キャリア人材の採用情報