
今回は、AIを活用した開発やプロジェクト推進に携わるエンジニアの西村さんにお話を伺いました。
行政領域からエンタメまで幅広いAIプロジェクトに関わりながら、実装を通じて価値を生み出してきた西村さんに、これまでのキャリアやウフルを選んだ理由、そしてAI時代に求められるエンジニア像について伺いました。
もともとはNECで研究職としてキャリアをスタートし、光通信やレーザーといった分野に携わっていました。専門領域を深く掘っていく仕事でしたが、続けていく中で「一つの分野を突き詰めるよりも、新しいことを考えたり、形にしたりする方が自分には向いているのではないか」と感じるようになりました。
そこで社内の新規事業領域へと軸足を移し、ドローンやAI領域に繋がるデータ分析など、当時注目されていたテーマに関わる機会を得ました。ただ、その中で感じたのは、必ずしも技術そのものが前に進んでいる実感を持てる環境ばかりではないということでした。バズワードを追うだけではなく、実際に価値として実装していくことにより関わりたいという思いが強くなっていきました。
その後、波動やAIなどの先端技術を扱うテックスタートアップに転じ、より事業に近い立場で幅広い領域に関わるようになりました。新規事業の立ち上げに近い形で、提案から入り、自分でPoCを回しながら形にしていくような関わり方が多かったです。さまざまな領域の案件に関わる機会があり、その都度テーマや課題が変わる中で、技術をどう活かすかを考える経験を積んできました。スピード感のある環境の中で、技術だけでなく「誰と働くか」や「どんなチームで進めるか」といった視点も強く意識するようになりました。
そうした経験を経て次の環境を考える中で、紹介をきっかけにウフルを知りました。実際に話を聞いてみると、「ちゃんと続いてきた会社だな」という印象を持ったのが率直な感想です。スタートアップのようなスピード感や柔軟さがありつつ、大企業のような安定性もある。そのバランスが、自分のこれまでの経験ともフィットすると感じました。ここなら自分のやりたいことに近い形で取り組めるのではないかと考え、入社を決めました。
ウフルでは主に、AIを活用したサービス開発と、AIに関する相談対応の大きく2つの軸で仕事をしています。
サービス開発では、数万人規模の社員を抱えるグローバル人材サービス企業や、上場企業を中心に支援する大手コンサルティングファームなどに向けて、補助金審査業務の効率化を目的としたAI活用に取り組んでいます。
こうした企業では、企業や行政の業務プロセスの一部として補助金審査に関わるケースも多く、大量の申請書類を扱う現場での負荷が課題になっています。提出される書類はフォーマットが統一されていないことも多く、内容の確認や判断を人手で行うには限界があります。また、制度に基づいて正確に審査を行う必要があるため、業務の標準化や品質の担保も重要なポイントになります。そうした背景の中で、書類の読み取りや情報整理をAIで支援し、審査業務全体の効率化と精度向上の両立を目指しています。
一方で、サウジ案件や中央省庁、行政機関の案件などで、社内からAI活用に関する相談も多く受けています。新しい技術をどう適用するかを考えること自体は私の得意領域です。
数ある案件の中で特に印象的だったのは、短期間で開発した「ゲーム実況AI」ですね。1週間半で作り切ったものの、イベントがなくなってしまったため日の目を見なかった。こういう無茶振りやスピード感も含めて、ウフルで働くことの醍醐味だと思います(笑)

ウフルの強みは、この会社の「規模感」にあると思っています。
大企業は、社会に与えるインパクトは大きいですが、個人が会社全体を変えるのは難しい。一方で、小さな会社は一人ひとりの影響力は大きいものの、その影響が社会に届く範囲はどうしても限られます。
その点、ウフルはちょうど中間に位置しています。個人の取り組みが会社全体に影響を与える余地がありつつ、その成果を外部にも展開していけるので、「会社を変えること」と「外に広げること」の両方ができる可能性がある。
実際に関わっている案件も、行政機関の業務改善や大手企業の業務プロセス、海外プロジェクトなど、社会に与える影響が大きいものが多いです。そうした領域に対して、自分たちの取り組みが直接インパクトを与えられる点は、この規模だからこそ実現できていると感じています。
AIによって業務効率が劇的に変わるタイミングにおいて、このポジションはかなり面白いです。実際に今、社内の生産性向上にも取り組んでいて、「会社そのものを変えられるか」というフェーズにいます。
社内では、AI案件に関わる社員のAIに関する理解の底上げを目的とした勉強会を複数回実施しています。
ベイズの定理や統計的な考え方といった基礎的なことに加え、ニューラルネットワークやディープラーニング、生成AIやLLMなど実務に近いテーマまで段階的に扱っています。
また、いくつかの事例を用いて、単なる知識ではなく納得感を持って理解できる構成にしています。専門的な深掘りは各自の学習に委ねつつ、AIを前提とした業務に安心して向き合える状態をつくることを狙いとして行っています。
生成AIの台頭によって、SaaSのあり方は確実に変わっていくと思っています。ただ、SaaSそのものがなくなるとは考えていません。というのも、どれだけAIが発達しても、最終的に私たち人間がそのサービスを使う以上「どう見えるか」「どう操作できるか」といったUIや使い勝手の部分は依然として重要だからです。例えばスケジュール管理一つ取っても、テキストで結果を返されるより、いつものカレンダー形式で視覚的に確認したいというニーズはなくならない。そういった“人間側の都合”は今後も変わらないと思っています。
その前提に立った上で、エンジニアに求められるものは何かというと、「問題を分解して解決する力」と「再現性」だと考えています。
まず、問題を分解する力についてですが、これはAI時代だからこそより重要になります。AIは万能に見えても、曖昧な指示では期待通りに動きません。複雑な課題をそのまま投げるのではなく「どの部分が問題なのか」「どの順番で解くべきか」といった形に分解し、一つひとつ検証していく必要があります。つまり、AIを使うというよりも、AIを“どう使いこなすか”の設計力が問われるようになるということです。
そしてもう一つが再現性です。これはエンジニアとリサーチャーの違いでもあると思っていて、リサーチャーは極端に言えば一度でも良い結果を出せれば価値がありますが、エンジニアはそれを「誰でも・何度でも同じように動かせる形」にしなければいけません。AIを使った開発でも同じで、たまたまうまくいった結果では意味がなく、それを安定して再現できる仕組みに落とし込めるかどうかが重要になります。
例えば、あるプロンプトでうまくいったとしても、それがなぜうまくいったのかを理解し、条件が変わっても同じように機能させるにはどうするかを考える必要がある。そこまでやって初めて「実務で使える状態」になるわけです。
逆に言うと、「これを作って」と言われたものをそのまま実装するだけのエンジニアは、今後かなり厳しくなると思っています。そういった作業自体はAIが代替できる領域になっていくからです。
課題を構造的に捉えて分解し、さらにそれを再現可能な形に落とし込める人は、AI時代でも変わらず価値を発揮し続けるはずです。むしろ、そういう人の重要性はこれからさらに高まっていくと感じていますし、私自身もそうでありたいと思っています。
エンジニアにとって、ウフルの開発環境や技術選定の自由度があって、自分の動き方次第で大きく広げられる環境だと感じています。既存のプロジェクトでは一定の前提や制約はありますが、自ら手を挙げて新しい取り組みを立ち上げたり、提案を通してプロジェクトに関わることで、技術選定も含めて裁量を持って進めることができます。
特に、0→1のフェーズや新規領域に関わる機会がある点は特徴的で、自分のアイデアや技術選択を形にできる余地があります。自ら考え、提案し、実行していきたい人にとっては、挑戦できて幅がある環境だと思います。

今一番面白いと感じているのは、AIを活用した社内の生産性向上です。単に業務を効率化するという話ではなく、これまで当たり前だった仕事の進め方や役割分担そのものを見直せる可能性があると感じています。
社内でうまく機能した取り組みは、そのまま外部にも展開できる可能性があります。自分たちで実践しているからこそ説得力のある形で提供できるので、社内改善と事業の両方につながる点も面白さの一つです。
SaaS業界は、今は大きな転換期にあります。AIの進化によって、これまでの前提が変わりつつある中で、「どう活用するか」を実践レベルで試している企業はまだ多くありません。その中で、ウフルとして「面白いことをやっている会社」と思われる状態をつくれたらいいなと思っています。
私個人としても、その変化の中心に関わりながら、単に技術を使うだけでなく、組織や働き方そのものをアップデートしていく取り組みに挑戦していきたいと考えています。
ウフルでは、多様なバックボーンをもった仲間が働いています。
技術を「価値」に変える経験を積みたい方、新しい領域にチャレンジしたい方のご応募をお待ちしています。