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ウフル社員レポート:サウジアラビアの政府機関と研修プログラムを実施


こんにちは、ウフルの海外展開の拠点であるイギリスで、海外案件のプロジェクトマネジメントを担当している山﨑です。
私は、2017年にIoTコンサルティング職でウフルに新卒で入社しました。

当時新しかったIoTというテクノロジーの最先端にビジネスの上流から関われること、そして自由で職種問わず色んなことに挑戦できる部分に惹かれたことが、ウフルを選んだ理由でした。


そこから3年間のコンサルティング、事業開発の経験を経て、2020年のコロナ真っ只中に渡英し、現在までイギリスを拠点に仕事をしています。

サウジアラビアの国立研究機関を迎えスマートシティ研究開発促進プログラムを実施


<経緯>
ウフルは、ドラゴンボールランドやクリスチアーノ・ロナルドの移籍、e-sportの世界大会などで注目されているサウジアラビアにて、新しいビジネスの展開を始めました。
元々は日本の最大の原油輸入先として知られるサウジアラビアですが、近年は脱炭素の動きの中で新たな産業・文化の開発に力を入れており、首都のリヤドを中心に様々な大規模都市計画が進んでいます。
特に2021年に発表された巨大都市計画「The Line」は全長170キロメートル、幅200メートルにも及ぶ直線状の建物でできたスマートシティプロジェクトであり、世界中から大きく注目されています。

サウジアラビアは人口の6割が20代という若く活力ある国であり、70兆円を投じてスマートシティの計画を進めています。
日本のデジタル関連予算(700億円/年)と比較しても桁違いの規模ですよね。
この大きなビジネスチャンスを捉え、ウフルはこれまで培ってきたスマートシティの知見と私たちの技術を生かしてこのプロジェクトに貢献したいと考えました。
2017年より代表の園田自ら先陣を切って定期的に訪問を行い、2021年末にサウジアラビアの政府機関「KACST(King Abdulaziz City for Science and Technology)」とのスマートシティ開発に向けた業務提携を締結し、本年2月に初めての実プロジェクトが実施されました。

<プロジェクト概要>

将来的にKACSTとはサウジアラビアのスマートシティに導入する技術開発をしていく見込みですが、第一弾としてはサウジアラビアのエンジニアに対してウフルのパートナーや自社サービスを通して日本のスマートシティを学んでもらう研修を実施しました。
サウジアラビアは人口に占める若者の割合が高いため、単に技術を持ち込むだけでなく若者の教育も同時に必要とされているためです。

実施までたくさんの苦労がありました…

今回のプログラムはパイロットとの位置付けでしたが、業務提携が締結されてプログラムが開始されるまで1年以上を要しました。
そもそもウフルとしてもサウジアラビアでのビジネスは初めてであり、政府機関であるKACSTとしても自国での実績が全くない企業とのプロジェクトということで慎重になっていた部分もあったかと思います。
それに加えて文化や商慣習の違いも相まって、振り返るととてもハードルの高いプロジェクトでした。
特に苦労したところでいくと、意思決定者との打合せの設定などがありました。
彼らは様々な機関や会社との共同プロジェクトを数多く行っており、イレギュラーなカンファレンス対応なども数多く発生するため事前に時間を決めて打合せを設定するのが困難です。
そのため、実際には現地のオフィスや近くのホテルなどに数日又は数週間張り込んで細かく電話で確認し、空いた時間の連絡を受けてやっと打合せに漕ぎ着けるなんてことも少なからずありました。

東京と和歌山が舞台

そういった困難も乗り越え、今年2月にKACSTのエンジニアたちを対象とした2週間の研修プログラムを無事に実施することができました。

<概要>

プログラムの1週目では東京にてパートナー企業のショールームへの訪問とウフル自社プロダクトの技術研修を実施しました。
2週目には舞台を和歌山に移し、ウフルが導入しているスマートシティの事例を実際に町を訪問して学び、その後観光をテーマとしたハッカソンを実施しました。最終日には国交省、経産省、中東協力センター、Smart City Institute Japanよりゲストを招いた講演会も実施しました。

<1週目>

日本を代表する企業をはじめ、エンターテイメントからシティセキュリティまで、スマートシティに関わる様々なテクノロジーを体験してもらいました。
期間中にはスマートシティを推進する国内政府機関や大使館からゲストをお招きしたレセプションパーティーも開催。
サウジの国営メディアからの取材もあり、日サウジ両方から注目を得ることができました。

<2週目>

和歌山県白浜町、すさみ町、日高川町の3つの町を訪問し、観光・防災・物流というテーマで町がそれぞれどのような課題を抱え、どのように解決しようとしているのかを紹介しました。
すさみ町では町をあげて歓迎いただき、とても充実した訪問になりました。
サウジアラビアでは2019年から観光ビザを解禁してこれから観光に力を入れるということもあり、観光をテーマに白浜の観光地でのフィールドワークの後、インバウンド向けの観光課題の解決をテーマにハッカソンを実施しました。
白浜町の観光課や白浜観光組合にもご参加いただき、とても貴重なご意見とコメントいただきました。

2週間を振り返って

<参加者コメント>

参加したエンジニアたちからは、プログラムのコンテンツはとても充実しており日本のスマートシティについて上流から下流まで幅広く学ぶことができたと好評いただきました。
また、全員が初めての来日だったこともあり「食文化をはじめとして都会から田舎まで日本を知ることができ、日本のホスピタリティや自然に感動した。日本が大好きになった。」とコメントいただきました。

<終えてみて>

準備期間が長かったため、実際にメンバーが空港に着いた時と全てのプログラムが終わった時は感動で胸がいっぱいになりました。
とはいっても、目標はサウジアラビアでのスマートシティ案件を実施することにあるため今回は第一歩です。そのためこの勢いを逃さずに第二弾の研修やその先の協業の実施に向けてより一層頑張っていきたいです。

中東最大のテックイベント「LEAP 2024」にも出展・登壇


実は私はこのプログラムが完了したその足で、参加者と共にサウジアラビアに戻っており、中東最大級のITカンファレンスである「LEAP 2024」にて総務省主催ブース・イベントで出展・登壇を行いました。
同じくサウジアラビアでのビジネス展開を行う企業との情報交換や、世界中から集まる来場者にウフルの取り組みをアピールすることができ、今後のビジネス展開にとってとても有意義な時間になりました。
また来年戻ってきて、大きな成果の発表と大きな商談ができるよう、これからの一年間もより一層頑張っていきたいと思います。

違いを受け入れ、自分自身の変化を楽しむ


ウフルには、全社員が大切にしている価値基準があります。
「違いを楽しむ、枠を超える、そしてすぐに動く」の3つです。
イギリスももちろんですが、サウジアラビアでの取り組みでは、国の体制、宗教や文化、商慣習など、表面的なものから内面的な部分まで、これまでの自分にとって沢山の「違い」に直面しました。
その度にプレッシャーやストレスなども生じますが、その中でも自分の常識を押し付けるのではなく相手の価値観を学び、取り入れる意識を持つ。分からないことは直ぐに質問。確認のためのコミュニケーションや努力を怠らない。
そういった自発的かつ積極的に変化を受けれることで、自分の中の価値観が書き換えられ、両者に納得感のある進め方ができたのではないかと感じています。
そして自分自身がその変化を楽しむことが改めて大切であると実感しました。

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